日記の看板
当庵主人の日記です。


■ご丁寧にどうも……(2001.11.20)

 NHKからハガキが二枚来ていました。
 うそ!枝雀一門会二枚も当ったの!?嬉々としてひっくり返せば落選通知。ショックで貧血起こしそうになりました。
 家族全員で出したうち、落選したのは似た者親子の父と私(だいたい私に運がないのは、父の遺伝やねん)。ああ、あとの二枚に希望をつなぎます。神様・仏様、どうぞあたってますように!万一はずれた場合、誰か誘ってくれますように!頼んまっせ〜!

■あがき(2001.11.19)

 歌々志さんの「あがき」はとってもおもしろい。
 我が落語友達ちかちゃんが「あがきは全部行ってる!絶対ハズせない!」と熱弁するのも、とってもとってもよくわかる。
 だから仕事が片付いた時には、すでに開演時間をすでに10分ほど過ぎていましたが、今日も走りました。今度は新大阪からワッハ上方レッスンホールへ。
 辿り着いたらすでに7時40分。ドアを開けると、歌々志さんが昭和46年3月13日の新聞を片手に、「歌々志の生きてきた日本」をテーマに語っておられました。30年前の若き故志ん朝師匠が、レポーターとしてスイス軍に体験入隊し、バズーカ砲をぶっぱなして、勢いあまって目の上をケガ!あちらの士官に「スイスの国旗みたいに、バンソ−コー十字に貼ったろか」と言われたのに志ん朝師匠は「いや、この弾丸は一発200フランだから200フランの領収証を貼って」と切り返し、スイスの人にめっちゃ受けた、という記事に会場どっと沸き。
 文章にすると、あんまりおもしろくないでしょ。でも歌々志さんの口にかかると、笑殺ネタになるから不思議。「おもしろいかも」と「つまんないかも」の間くらいでぷかぷか浮いてる日常的な小ネタを拾い上げて、ものすごい力を与えちゃう人やと思います。
 梅団治さん「お玉牛」。これがまた、すごかった。
 「キショっ!こんな男めっちゃイヤ!イヤッ、コワっ!イヤっ、ちょっと近寄らんといて!」という具合で、梅団治さんのいやらしい表情とか、煙管をなめる身ぶりとかに、いちいち肩がビクッと反応してしまうんですもの。もう梅団治さんったら、リアル過ぎ!感覚に訴えかけてくるものが強烈すぎて、見ていて体力使いました。ふぅ。
 でも味付け濃いのに後味はしつこくない。生理的にイヤな思いをしたのに、梅団治さんのハートウォーミングなキャラが勝っているのでしょうか、「あーおもしろかった。梅団治さんて、おもしろいしかわいいし、大好き。また見に来るね(はーと)」というところに気持ちが行き着くのは何故なんだろう。(……言わんとするところは、くんでやってください)

 歌々志さん、落語は「ねずみ」と「米揚げ笊」。
 「ねずみ」は人情、「米揚げ笊」は笊売りのキュートさに、すっかりやられてしまいました。
 で、本日の「ここ一番!」はねずみ屋のご亭主が零落した経緯を説明するところ!子供の背中の傷を見て自分を責める時、肩をつかむ指先がちょっと震えてて……息を詰めて見入ってしまいました。歌々志さんの手って演技派ですなぁ。
 吉坊さんに間に合わなかったことだけが悔やまれます。高座返しのお姿が颯爽としていて、かわいかった!
 とっても楽しい夜でした。で、「あがき」は今年は終わり。もう年末が近いんですね……忘年会しなきゃ。

■ちょっと残念(2001.11.18)

 獅子座流星群を見ることができませんでした。
 ここ毎年、今年こそ今年こそと寒い中を夜空を見上げていたのに、一番よく観測された年に限って見逃すなんて、やっぱり私はインケツ女やわ。
 でも、自業自得です。昨日は飲みにいってて、帰ってきてすぐに爆睡しちゃったんだもん。

 一緒に飲んでいたのは時計と車が大好きな人。「歴史と伝統、磨かれた技術のすばらしさ」をかっこいいと思っているという点で、落語も車も時計も「おんなじやねー!」という話になりました。(なぜそういう結論に至ったのか、あんまり覚えていない)相手はアルファロメオがスピードを出した時の乾いたエンジン音のすばらしさがどうこうとか、ブライトリングの文字盤がどうこうとかいう話を熱く語り、一方私は米朝師匠の所作の美しさや、いいお囃子を聴いた時どれだけ胸が躍るかなんてことをせつせつと語り、結果ついつい飲み過ぎて、流星が飛ぶ時刻まで起きていられなかったという次第。19日は楽しみにしていた歌々志さんの「あがき」です。ひょっとしたら今日も少しくらい流星が見られるのでは?と思ってます。帰ってきてから、ダメもとでちょっと頑張ってみようかなぁ……。

 さて、私は無事に「あがき」へ行くことができるのでしょうか。仕事がさっさと片付いてくれるように、ただただ祈るばかりです。

■ご機嫌(2001.11.17)

 今日はいい日でした。休日出勤だったけれど。
  幸せ1 迷惑をかけた得意先の営業へのお詫びに、上司が昼食に「うどんすき」をおごった。
      で、私はそれにご相伴させてもらって遠慮なく食べた。おいしかった!
      しかも昼間なのにビールも飲んじゃった。
  幸せ2 1年ぶりに立川談志師匠の独演会!
  幸せ3 晩ご飯に父に寿司屋に連れて行ってもらった。おいしかった!

  幸せ4 さの字庵、お陰さまでカウンター1000突破!

 談志師匠かっこよすぎ!しかも、前座なしでたっぷり2時間30分まるまる談志!
 まず「天災」。声の調子が悪そうで心配しました。最近の談志師匠はちょっと言葉が聞き取りにくかったりもするのだけれど、「一言も聞き逃さないわ!」と、自分でも信じられないくらい息をつめて集中してしまう。これが他の噺家さんだと「きらーい、何言ってるのかわかんない!」と、あくびしてしまうところです。でも家元だったら、聞き取れなかったところがあると「私のばかばか!なんでちゃんと聞かないの!ごめんなさい師匠!」と、自分を責めてしまう。やっぱりとても特別な噺家さんです。大好き!
 で、二席目は「富久」!おおお!うれしぃぃぃぃ。ちょっとの所作が一つ一つがかっこいい!
 オチは知っているけれど、久蔵と一緒に喜んだり必死になったり、落胆したり。「大丈夫だよぉ、大神宮は棟梁んとこにあるよぉ!」と教えてあげたくなっちゃったり……。今のアフガン状勢の話等もされた後だったので、ハッピーエンドが心にしみました。
 カーテンコールで談志師匠も「久蔵に富が当ってホントよかったと思うよ」と言ってはりました。ほんまそうです。そうだよねぇ、いろいろあるけど世の中捨てたモンじゃないよねぇ。なんてね。
 家元にまた惚れた!来年も行く!
 すっかり気分は東京帰りだから、寿司屋さんでは「ヅケ」とか「コハダ」とかを頼んでしまいました。(でもトロは遠慮しておいた。)サービスでゲソの塩焼き食べさせてもらったし、お腹一杯。今日は食べ過ぎ飲み過ぎ!怖くて体重計には乗れませんでした。おそろしやー。
 で、オープンから1ヶ月にならないのに、カウンターが1000を超えました。とってもうれしいです。
 正直こんなに早くに1000行くとは思っていなかったので、焦っています。1000を踏んだ松永さん、うれしくなくっても千社札作っちゃうもんね。明日は久し振りにお休みなので、準備してまたメールします。覚悟しておいて下さいね。ふっふっふっ。

 
■パパ、大丈夫?(2001.11.16)

 うちの父が「うおー!本格派が聴きたーい!」というので、それなら談志師匠の会がよかろうということになり、チケットを2枚取りました。
 ところが!「家元の会、11月17日やからね。チケットはおごったげるから、晩御飯は美味しいもの食べさせてや」と言ったところ、怪訝な顔で「知らんで、なんやそりゃ?」。
 凍りました。
 上機嫌で「なにぃ!?談志が大阪に来る!?お前、自分だけ行くとは強欲な!お父さんも行く!行く!行くでー!!」と絶叫していたのに「そんなことはまったく言った覚えがない。談志が大阪に来るなんて知らん!」って、言い張るんです。いくら酔っていたにしろ、あまりの豹変振りにア然。母の証言のおかげで、私の言い分が正しいことは証明されましたが、「お父さん大丈夫なんやろうか?ひょっとして脳ミソにスが入ってるのかしらん」と大変心配な今日この頃。酔っ払いはタチ悪いわ。
 でも、今日の食卓の話題はもっぱら「明日の談志のネタはなにかしらん?」でした。私は「ぞろぞろ」が聴きたいんですが、果たして何をやってくれるんでしょう?ドキドキです。何しろ談志師匠一年ぶりですから!何を着て行こうかな〜?
 と、いうわけで、明日は親子で談志師匠を聞きに行きます。二階席なのは残念ですが、よく似たキツネ顔の父娘がヘラヘラ笑っていたら、それはきっと私達。

 
■今日は……(2001.11.15)

 ツイてるのか、ツイてないのかよくわからない今日の私。

  不運その1:買ったばかりのビン入りキムチ、封を切ったらすでに変質していた。
        しかも、見た目かなり気色悪かった。
  不運その2:先日購入した宝くじ、1割しか返ってこないことがわかった。

  幸運その1:二ヶ月前に送った懸賞が当選。我が家に高級中華スープの素(半ネリタイプ)
        味の王様「味覇」が送られて来た。
  幸運その2:上司にお昼ご飯をおごってもらった。
        特製豚カツセット、かなり美味しかった。

 うーん……。

 
■ラクゴレンジャー(2001.11.14)

 「今日は……に行けなかった(恨)」的記述が多いこの日記ですが、今日は違うのです。
 行ってきましたよ、「ラクゴレンジャー」!

 この会、今まで心惹かれてはいたのだけれど、それとはウラハラにビビって足が向かなかったのも事実。
 だって……。面子が濃いんだもん。
 宣材だって、濃いんだもん。(詳しくは寄席熱目さんの「チラチラ・チラシギャラリー」にあるここを参照して下さい。)
 女一人ではなかなか行きにくい。まして私は小心者なんだもん。
 でも、休みなし10日連勤のためか、イライラが溜まって肌も荒れてきたので「これは落語を聞かなあかん」。職場を出たのはもう19:00でしたが、勇気を出して太融寺へと走りました。
 もうお寺の門は閉じていて、汗をかきながら入口を探しだすと、受付には雀五郎さんが。この方のお顔を見ると、なんだか気分がなごみます。
 広間に入ると都んぼさんの「兵庫船」のサゲ寸前。すっかりあきらめていたので、ちょっとだけでも聞けてうれしい。
 都んぼさんって迫力ありすぎて、ちょっと怖い。でも、笑福亭たまさんと一緒で、しばらく高座を見ないと、無性に恋しくなるの、不思議。
 この日の、都んぼさんより後の演目は、

  吉弥さん「ふぐ鍋」
    中入
  ちゃん好さん「馬の田楽」
  かい枝さん「おごろもち盗人」

 吉弥さん、最近見る(聞く)機会が多い。今日もサッカー日本代表のユニフォームカラーの衣装。お腹すいた時に、おいしそうなてっちりの話。おもしろかったけれど、つらかったです。
 で、体格のいい人が怖い私ですが、ちゃん好さんはいいなぁ。顔怖いけれど、子供の声色が特に愛嬌があって好き。
 かい枝さん、マクラからなにから、よく笑わせてもらいました。で、気がついたけれど、かい枝さんってかい枝さんって、………手がとってもきれい!見とれてしまいました。
 最後に、「チャリティーではないオークション」めいめいがいろんなものを出品してらっしゃいましたが、それぞれに品物のチョイスやら、売り方やらに性格が出ていておもしろかったです。(内容を書くと、支障がありそうなので伏せさせていただきます。)
 インパクト強烈だったのが三金さんが出品された「桂三象さん人面疽Tシャツ」。失礼ながら夢に出てきそうな……。いや、なんていうか、ちょっとすごかったです。
 そんなこんなで、楽しい一夜でございました。

 
■ためいき坂くちぶえ坂(2001.11.13)

 社用で梅田に出たので、久し振りに紀伊国屋へ行きました。
 仕事の本を見に行ったのに、すいよせられるように「伝統芸能」のコーナーへ。すると笑福亭松枝さんの「ためいき坂くちぶえ坂」が平積みになっており、ぐっと手首をつかまれたような気になってふらふらと購入。1,500円也。
 時々こういうことがあります。本と目が合ってしまったとしかいいようがない。でも、こういう買い方をして、今まではずれがなかったのは不思議。
 「ためいき坂くちぶえ坂」の場合は、といいますと。

 ひさびさにやっちゃった一気読み。疲れ目がひどくて、最近では1時間以上本に集中できなかったのに……。

 うまく感想書けません。笑ったり、憤慨したり、ばっちい表現に顔しかめたり‥‥気がついたらもうページがなかった。
 ちょっと泣きました。
 ひさしぶりにしんみり。

 でも、でも、想像できない。
 福笑師匠に10代の頃があって、しかもロン毛やったやなんて………。

 さて、明日は、ラクゴレンジャーに……行けるのかなぁ?

 
■私の選択の余地はどこに?(2001.11.12)

 今日は、伏見で酒蔵寄席(雀三郎さん・雀々さん・こごろうさん・紅雀さん出演)、ワッハでさえずり会(出丸さんと歌々志さん、その他にもおいしい人出演)
 どっちにも行きたい!私の心は千々に乱れておりました。結局お昼過ぎになっても決められずにいた私、そこで、ふと気付いたんです。「この感覚は覚えがある!」
 最近では一週間前の月曜のこと。文華さんの会に行くか花菱の会に行くか、お昼過ぎても迷っていたのに、結局どっちも行けなかった。そやねん!そういえば昼過ぎてもどっちに行くか選びあぐねてる日って、必ずと言っていいほど、残業があるねん!(しかも4時くらいはめっちゃ暇で安心しきってて、5時過ぎたくらいに営業が無邪気な顔でややこしい仕事持ってくるねん。いっつもそうやねん!しかも、仕事持ってくるのはなんでかいっつも同じヤツやねんなー)

 で、今日は家でご飯食べて梅酒飲んでます。(21:00)

 ちょっとあんまりです。私には選ぶ権利もないんか!選ばせてよ!なんでいっつも否応なく邪魔が入るの?!悔しすぎるわ!!
 逃した運をなんとか取りかえして帳尻あわせないと気が済まへん!と思い、仕事帰りの地下鉄の売店で、1枚100円の宝くじを買うことにしました。

 私「すんません、連番で10枚ください」
 売店のおばちゃん「連番ね、あと20枚しか残ってないの。
          お姉ちゃん、上の10枚と下の10枚とどっちがいい?」
 私「えーっと、えーっと、‥‥‥じゃぁ、それ全部下さい。」

 二兎を追うものは一兎をも得ず、というけれど、優柔不断って罪なんでしょうか?「絶対この会に行く!」っていう気合いがあれば、残業なんて寄せつけなくて済むんやろうか!?

 でも、めっちゃ気合い入れてても上方落語名人会には行けなかったやん、私。
 やっぱり、根本的にインケツな女やねんな、私って……。
 今日の寒さは特に骨身にしみました。
 伏見酒蔵寄席に行かれた方がいたら、あわれな私にせめて演目なりとお教え下さいませ。
 あぁ、寒いわ。

 
■岡町落語ランド(2001.11.11)

 休日出勤しててばんぶー亭には行けなかった私。でも、どうしても落語が聞きたくてたまらない!幸い昼過ぎには見通しがついたので、地元豊中の「岡町落語ランド」へ行って来ました。
 最近いい能管を聴けなかったので、今日の二番太鼓はとっても幸せでした。さすがは吉朝一門!場所も大好きな伝統芸能館だし、正統派のきちっと整った落語を聴けて、とても気持ちよく過ごすことができました。お陰さまで今日は気持ちよく眠れそうです。

 今日の演目は吉坊さん「厄払い」、吉弥さん「ねずみ」、小米朝さん「稽古屋」、あさ吉さん「皿屋敷」、宗助さん「船弁慶」
 あさ吉さんの皿屋敷、口の悪いおっちゃんのしゃべり方が、うちの父(姫路市出身)が怒ったり酔っぱらったりした時の言葉遣いと似ていておもしろかったです。
 うちの父が怒ると炸裂する播州弁は、子供心にめっちゃ怖かった!
 昔、父のさとに母と二人で行った時、喫茶店で普通のおじさんがヤクザのようなしゃべり方をしていて、怖かった。「おぇー、ワレんとこの娘、最近見かけへんのぉ、なにイテこましてけつかんねん」みたいなことを、巻舌べろんべろんで、なおかつおだやかーな笑顔でお話しされている姿は、かなり違和感。
 そういえば米朝師匠も姫路の人ですよね、ということは播州言葉は筋金入りのはず!いつもはとってもきれいな言葉やけど、怒りはったらうちの父みたいなガラ悪になりはるんやろうか……。一回聞いてみたい。
 さて、明日はさえずり会、そして伏見酒蔵寄席。両方ともとてもいい演者さんが揃っているので、どちらかには行きたい!落語の神様にお願いしておこうっと。あ〜、リラックスしすぎて眠い、今日はもう寝ます。(この時点で21:30です)

■NHK新人演芸大賞(2001.11.10)

 行って来ました因縁のNHK新放送会館。
 仕事がいい感じで終わって、谷町四丁目に着いたらちょうどチケット引き換え開始の16:30。NHKの前に若い高校生くらいの女の子の中に、老人がまざっているという異様な行列がありました。まさか自分がこれに並ばないといけないなんて!マジぼうぜんとしましたが、良く考えたら演芸部門に出場する若手芸人さんには、女の子のファンがたくさんいてはるわけでして、そんなことは、まったく頭になかったんです。しかも演芸部門に出た6組の芸人さん、せんたくばさみ・ダイノジ・チャイルドマシーン・どーよ・ビッキーズ・レギュラー、私だ〜れも知らなかった‥‥‥。その後並ぶこと30分で、ようやくチケットを交換することができました。
 席に着いてしまった!と思ったのは周りが若い女の子ばっかりだったこと。「これはどう考えても落語をまじめに聞いてくれる人達ではない!」不安的中で、後ろに座っていた○蘭女子の制服を着た四人連れ、ずーっとしゃべりっぱなし。三秒と黙ってないんです!頭の後ろでひっきりなしにしゃべられるというのは、想像異常にイライラするもんです。ちらちら後ろ見たりしたけど、全然効き目なし!あぁ、辛かった!
 さて、落語部門の出演者および演目は次の通り。
   古今亭菊朗「真田小僧」
   古今亭菊之丞「酢豆腐」
   立川笑志「お菊の皿」
   桂吉弥「遊山船」
   桂三若「一人静」
 で、審査員は麻生圭子・海原小浜・大竹まこと・大野桂・織田正吉・内藤國雄・中村うさぎ・山藤章二、という面々でした。  クジ引きで決定した順ですが、きれいに東京・上方に分かれました。菊朗さんの「真田小僧」はすっごく好きなネタやし、かわいくて面白かったのですが審査員の山藤章二さんは「ネタの選び方を間違えた、今の世の中は真田小僧みたいな子供ばっかりだからインパクトが少ない」なんてコメント。そういうもんなんやろうか?私はめっちゃ好きな高座やったんですけどね。
 菊之丞さんは名前だけじゃなく、見た目も動き方も歌舞伎役者みたいな人。すっごい風流やったけど、面白いかったかどうかと聞かれると「ちりとてちんの方が好き」としか‥‥。私の修業不足かな?
 立川笑志さんは風格ばっちり!無骨い感じなのに、扇子を扱う手付きが「え?」と思うくらい美しい人でした。ネタもいろいろ盛り込んでいておもしろい!さすが立川流!個人的にはこの人に賞を上げたかった。
 続く吉弥さん、青い高座着が素敵。でもなぜ「遊山船」?会場の大多数が若い女の子で盛り上がらない。芸達者な人やし、もどかしい感じ。
 で、私は初体験の桂三若さん、桃色の着物に袴で登場。紹介では最新作!と言うことでしたが、一緒にいったちかちゃんは「最新なんや〜、3回くらい聴いたことあるねんけど……」と困ってはりました。今日最高の盛り上がりでした。テンポいいし、男前やし、よう笑わせてもらいました。
 結果は演芸部門はせんたくばさみ、落語部門は三若さんが大賞を受賞されました。三若さんは泣いてはりました。
 いろいろあって楽しい日でしたが、やっぱりあの後ろに座っていた女子高生に一言言えばよかったと後悔しています。でも、今日の一番の不満はサゲの後の太鼓がなかったこと!あれがないとどんだけ面白い噺でもなんか締まらない!普段聴いていてなんとも思わなかったけれど、あれは大事やってんなぁ……と今さらながらに思いました。
 さ、私もちかちゃんも明日は仕事!これをエネルギー源にがんばろうっと!

■天神さんって……(2001.11.9)

 最近、NHK大阪放送局がオープンした記念で、天神さんゆかりの品々を公開する展覧会をやっているらしい。テレビでやっていたその宣伝を、母と二人で見ていました。

母「いやっ、知らんかった!天神さんって怨霊やったん?こわ〜、そんなん拝むの気持ち悪いわ」
私「え〜、菅原道真すごいねんで!死んでから雷神になって御所に雷落としたり、カタキをいっぱいタタリ殺したりしてんから……」

自分で言って、ふと思った。
私「でもさぁ。そんだけのパワーと頭脳があるんやったら、生きてる間に策略巡らしまくって、天下とったったらよかったんと違うん。それを泣き疲れて死んでまうなんて、イケてないわ」
母「そうやんなぁ、あかんやん天神さん」

昔は菅原道真って、ひたすら気の毒な人だと思ってましたが、いつのまにかこんな考え方しか出来なくなった私。これが世間の垢に染まるということなんでしょうか。

 あ、でも、生きてる間に政権を取って富を得るより、毎年あちこちでお祭り騒ぎしてもらえる方が楽しいかな?花火もあがるし、船渡御には上方落語協会が噺家船出してくれるし……。
 ほんま人生は万事塞翁が馬やね。ひょっとしたら私も、水曜日に上方落語名人会に行っていたら、交通事故とか辻斬りに会ったりしてたかもしれない……。
 というわけで、天神さんのおかげでふっきれました。気分一新で土曜日は新人演芸大賞を見に、NHK新放送会館へ行ってきます。

■まだちょっと落ちこみ気味だけど……(2001.11.8)

 痛恨の一夜が明けました。しつこいようですが、まだ立ち直れません。
 昨日はあれだけすばやく動いた指が、今日は重くて重くて、仕事は山積みなのに、いっこうにはかどらないんです。これはいけません。

 でも、ちょっといいこともありました。今日「わいわいジャーナル」で、九雀さんにメッセージを読んでもらったんです。(仕事中に投稿した)うー、うれしいものですね。
 それに、先ほど掲示板見たら、初めてカキコして下さった方が地上波でも上方落語名人会を放送するかも、という情報を伝えてくださいました。ありがたいことです。ホームページを作ってよかったぁ(感涙)

 で、掲示板を見ていてふと思ったんですが、みなさん私が作った問題を解くのに、いろんな落語の参考資料をお使いですね。私はまだそういう落語のガイドブックを持っていません。是非購入したいのですが、何しろ貧乏人なもので、高い本とか、いっぺんに数冊なんてようしません。手頃な値段で「これはお薦め!」という本があれば、ぜひ、掲示板なりメールなりで教えていただきたいです。どうぞどうぞよろしくお願い致します。

■落ちこんでます……(2001.11.7)

 11/7はNHK新放送会館で上方落語名人会が開催されました。
 米朝・文枝・春団治・仁鶴・吉朝・団朝という信じられないラインナップ。
 仕事が重なっていたのであきらめて前売は買わずにいたのですが、当日になって、もう行きたくてたまらなくなり、自然に仕事をする手が3倍速モードになってしまいました。あんまり早くキーボード叩きすぎて何回もMacをフリーズさせちゃったりしちゃって……。

 でもね、結局諸事情により私は行くことができませんでした。ちょっと泣いちゃった。
 行けない原因を作った人に恨み言を言おうにも、この名人達が一同に会するすごさをわかってはもらえないだろうし、理解してもらえない人に当り散らすわけにもいかないので、何も言わずにぐっと堪えてます。
 もって行き場のないモヤモヤを発散するため、昨夜は米朝師匠の「算段の平兵衛・近江八景」のテープを聞きながら、メールチェックもせずにあっちこっちに懸賞ハガキ書きまくってました。でも、これ全部当ったとしても、上方落語名人会に行けた方がよかったかも。BSで放送されるっていったて、うちにはBSチューナーなんて文明の利器はありゃせんのじゃい!
 行かれた方の感想をうっかり目にしないために、しばらくは寄席熱目さんの掲示板には近づかんとこうと思っています。私をイジメようとうちの掲示板に感想を書き込んだりした人は、思わぬテロにあうので、覚悟してやってね。くすん。

 で、余談です。
 日曜日に立花寄席に行った時、前を通りかかった宝石店「ジョワイヨ○美堂 立花店」が盗難にあったらしい。だからどうってわけではないんだけど……。

■Macの日本語って‥‥(2001.11.6)

 今日は木枯1号が吹いたそうです。寒い一日でした
 そんな寒い朝、私は仕事でMacをいじっていて、「まいにちかいかん」という文句を入力しました。これは当然正しくは「毎日会館」です。ところがうちの職場Macはこともあろうに「毎日快感」と表示したではないですか。「も〜、あんたエッチやなぁ!」結構こういう些細な出来事でその日一日の気分が決まるもので、お陰さまで今日は機嫌よくお仕事できました。
 その職場Mac(愛称ふみちゃん)は「○○にかんする‥‥」と入力したら第一候補に「○○に姦する…」と表示するアホな子です。おもろいけれど、気付かずに、そのままクライアントにまわってしまったらと考えると、冷や汗が出ます。
 ちなみに「こうじゃくさん」と入力すると、ちゃんと辞書登録しているにも関わらず「耗弱さん」と変換します。いいかげん学習してほしい!まかりまちがってどっかの掲示板に「今日の耗弱さんのいらち俥は最高でした」なんてカキコしてしまったらどないしよ。みなさんのPCはどんな感じですか?

あ、そうや、これを忘れてはいけないわ。
「丸萬さんのイケズ!」
以上、業務連絡でした。

■ふーん(2001.11.5)

 今日はあちこちでいい落語会をやっていたけれど、今日は人とご飯食べてて、どれにも行かずじまい。
 いいもんね、別に。
 はやく寝よ。

■宗助はんの立花寄席(2001.11.4)

 今日は、夕方になって約束をドタキャンされて、めーっちゃ寂しくて、空いた時間と心の隙間を埋めるために、立花寄席に宗助さんを見に行って来ました。
 これがよかった!前座は、私は久し振りの歌々志さん「米上げ笊」。相変わらずマクラと表情の変化がおもしろい!こごろうさん「ときうどん」これもマクラが爆笑!内容をここで書くと、支障がありそうだから内緒ね。ふふふ。この噺、こごろうさんがうどんを食べるのが、めっちゃうまいから、見ていてお腹が空いてしまいました。でも、一緒に見ていたちかちゃんは「あのうどん、汁気が足りへん感じ〜」と言ってはった。あんた通やなぁ。
 宗助さんは「不動坊」と「らくだ」。
 宗助さん、男っぽくて骨太、そんでまたお洒落!「不動坊」の利吉さんって、今までは守銭奴のイヤな奴やと思ってましたが、今日の宗助さんのを見て、「利吉って、めっちゃええ男かも」と思いました。
 宗助さんの利吉はいいよ!マジメな働きモンで経済力あるし、風呂屋のやり取りみてると、かなり想像力豊かでかわいい性格みたいやし、しかも、幽霊が出て来てもひるまずに交渉できるその胆力!タイプや!どっかにこんな素敵な独身男性がいたら、誰か紹介してください。いや、まじでよろしく。

■文化の日は雨(01.11.3)

 雨の日は嫌いです。気圧が下がるからか湿気が多いからかは不明ですが、血圧が下がってとてもしんどいんです。だから、今日はほとんどお出かけせずに、用事を片付けたり、たまったビデオを見たり、ホームページをいじったりしていました。そういうわけで、「見聞録」に「梅田の亥会」をアップしてます。よかったら見て下さいね。

■らくごDEきまる(01.11.2)

 喜丸さんの会へ行って来ました。
 演目は紅雀さん「いらちの愛宕詣り」喜丸さん「骨つり」こごろうさん「へっつい盗人」喜丸さん「はてなの茶碗」。好きな演目と演者さんばっかりのおいしい会で、楽しみにしていたのに、遅刻しました。くやしい!
 仕事が重なり、朝からキリキリ舞い。我ながら良く働いた!それなのに、新大阪の職場を出たのが18:50。お財布に2000円しか入ってないことに気付き、銀行に寄ってから週末の人ゴミかきわけ猛ダッシュ!19:15到着!よく頑張ったわ私。

 ヘロヘロになって入ると、紅雀さんはまだ愛宕山には出かけてなくて、あ〜よかった。
 紅雀さんの「いらちの愛宕詣り」は、嫁さんとのやり取りが大好きなんです。まだ初々しい新妻って感じで、かわいいんやけどしっかりしていて、しかもめーっちゃ優しい。紅雀さんがいつか「舟弁慶」演じはる時には、どんなお松さんになるんやろう。私の中では、雀三郎さんのお松さんはえげつない性格やけど色気のあるちょっと別嬪、雀々さんのは愛嬌がある小太りのブサイク、なんです。演者さんによって浮かんでくる姿形が全然違っていておもしろい。
 イメージといえばこの日、こごろうさんは「へっつい盗人」の喜六を、「喜丸兄さんみたいなイメージ」でやっていると言ってはりました。こごろうさんめっちゃおもろかった!
 喜丸さんの「骨つり」好き。骨が来てうれしそうにしているのが無邪気で微笑ましくて、めっちゃかわいい。好きなネタなんだけど、今までは「こんなにおもろい噺やのに、取ってつけたような終わり方、嫌い」と思ってましたが、喜丸さんのサゲはすごくすっきりしていて好きです。ちょっと言い方違うだけやのにめっちゃ納得できるんです。ほんまちょっとのことやのにね。すごい。
 「北の陣」の最終日だったためか、喜丸さんの人徳か、いろんな噺家さんが手伝いに来ていらしたようで、帰る時にちらりと覗いた楽屋はとてもにぎわっていました。中でも、笑わせてくれたのは出丸さん。ゲームの最中にこんなんやってはりました。この後、ダーツの矢が直撃しそうになって、それもおかしかったなぁ。
 とてもいい会だったのに、走り過ぎてしんどくなって、ちょっと集中しきれなかったような気がします。(会が終わって椅子から立ったら貧血起こしそうになった)もっと体力つけなきゃね。

■ナンパ(01.11.1)

 ホームページをオープンしなおして、00001を踏んだ方への「お祝い部屋」を作ってます。もうすぐできるので、週末にはアップします。当った人、もうちょっと待っててくださいね。

 話は変わりますが、今日、かなり久し振りに「ナンパ」されてしまいました。
 場所は地元の図書館の前。本を借りて出て来た私に「よく本を借りにこられるんですか」と、40代くらいの男性が唐突に声をかけてきました。どうも、図書館で私を見かけて追って来たらしい。「ちょっとコーヒーでも‥‥」と、とてもクラシカルかつトラディショナルに誘ってくれはったんですが、「急いでるんで……」と逃げるように振り切ってしまいました。
 しばらくの間は「声をかけてもらった」という事実にとても気をよくしていました。
   でも冷静に考えたら、どう考えてもおかしい。私、スッピンでかなり服装もイケてなかった上に、バッグは借りた本でパンパンにふくれて、でっかい「演芸文字事典」がはみだしてる。普通、こんな女に声かけるか?いや、それ、絶対変。
 ひょっとして、あの人はすごい落語ファンで、私が図書館で「艶笑落語熱演集 第四」のテープと「立川談志ひとり会 第十三集」のCDを借りているのを目撃して同好の士だと確信し、熱く語り合いたいという衝動を抑えられなかったのかも知れない。いや、あのタイミングからいって十中八九そうやろう。
 それなら初めっから「あの!あなた家元がお好きなんですか?」とか言ってくれたらよかったのにねぇ。あ、でもそれも結構ビビるか。
 ひょっとしたら、あの人とはどこかの落語会で会うことがあるかも……。

 さて、明日は喜丸さんの会へ行くつもり。紅雀さんにこごろうさんも出はる(*^o^*)仕事がスムーズに終わって、二番太鼓には間に合うように祈るばかりです。

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