日記の看板・春
当庵主人の日記です。

■台風一過(2003.6.1.sun)

 5月の最終週はホントについてなかった。落語会にはことごとく行けなかったし、ガス台磨いてて指は切るし、しかもその傷口は毎日開いて出血を繰り返すし、お気に入りのグラスは2個も割れるし(アテが割ったんとちゃいます!勝手に割れたんどす!!)気分転換にレンタルビデオ屋に行ったら、借りたかったビデオはレンタル中だし、その上お気に入りの傘を盗まれるし!
 まだまだあるでぇ。例えば全品100円目当てにミスドに行けば、大好きなエンゼルフレンチ売り切れてるし、日用品の買い物に行けば両手一杯に荷物を持って、あと5分で家に着くというところで、ドシャ降りの雨に遭ってずぶ濡れになるし、あげくに夕飯を作ろうとしたらデカイ油虫に遭遇するし!!いやぁぁぁぁぁぁ!!
 新聞紙丸めて立ち向かい、みごと退治して亡骸を処分しようとしたら、油虫のヤツ、胴と頭が離れてもまだ足が動いているっ!!身震いしながら「胴斬り」みたいと思ってしまった私って……やっぱ脳みそ落語に侵食されてますね。
 そこらへんに「キレイキレイスプレー」撒いて掃除して、すっかり夕食が遅くなってしまいました。誰か、良く効く油虫のマジナイがあれば、伝授してくださいませ……。

 そんなこんなで身も心も落ち込み気味の日曜。2駅向うの古本屋までお散歩がてらスニ−カ−履いて行って来ました。
 私はここの50円コーナーが大好きで、掘り出し物を4冊と、カポーティ作・村上春樹訳「誕生日の子どもたち」680円を手に取り、レジに向かおうとして、途中で、ふと気が変わって演芸コーナーに行きました。前に来た時にはなかった「米朝落語全集第一巻」があり、なんとなく手にとってめくると、あら。これもサイン本!価格は1280円。昭和55年第一版第一刷、帯はないけれど、中の小冊子はあるし、本もきれい。最近えらいサイン本ついてるなぁ……と歓喜にうち震えつつ購入し、再び徒歩で帰宅し、牛スジ丼とヒジキたいたのとワインとで「ようこそ我が家へ!米朝落語全集第一巻(サイン付き)さま」の宴を開く。(人間は私一人)
 先月は乱調気味だったけれど、今月はこの調子で幸せ続きな一ヶ月だといいなぁ……。

■名探偵ナンコ(2003.5.25.sun)

 演芸3連チャン。今日は旭堂南湖さんの講談。体調がよくなくって、ぎりぎりまで躊躇したけれど、誘惑に勝てず、ふらふらと出かけて行きました。

 前に来た時には会場は本堂だったのだけれど、急な御葬式が入ったということで、境内のビルの3階で開催。高座のわきには、アップライトピアノとお目々ぱっちり・フリフリドレスのフランス人形。ふ、不思議な光景だ。

 先月のべにこごに来てくださった大阪日日新聞の取材の美人記者さんと出会う。写真付きの取材の日に限って、急ごしらえの会場とは気の毒な気もしたけれど、話としてはおもしろいよなぁ……。

 「古典講談・寛政力士伝より 谷風の人情相撲」
 知ってるぞぉ、この話!以前、文我さんが「佐野山」っていうお題でやってはった。中におさめられたエピソードは落語より、盛り沢山で、盛り上げかたも大胆。舞台は江戸なのに、登場人物がみんな大阪弁という違和感が不思議に笑いを誘う。これでもかぁぁぁっっというクドさも、南湖さんのさらりとした語り方ならOK。これが大袈裟にやられたら………絶対ひいたわ、私。
 「探偵講談・殺生谷の怪事件」ほんまに奇っ怪。お昼の再放送で見た、昔の怪奇ドラマのような階調の少ない画面が脳に浮かんでくる。怪事件すぎるわぁ。でも、こういうのも好き♪

 中入をはさんで芦辺拓先生と南湖さんの対談。私もミステリーは好きだけど、ここの会話にはとてもついていけない。でも、一歩だけ入ったところから覗き込んだマニアックな世界って、とても魅力的。専門用語とか、妙にかっこよく聞こえる。

 もしももうちょっと早い時刻であれば、旭屋書店に春陽堂の黒い文庫を見に行ったのだけれど、体調が悪かったのを思い出し、まっすぐ帰る。

 南湖さんの爽やかなイカガワシさに、ますますハマっていく私でございました。次の名探偵ナンコは7/27だそうです。次はどんな探偵講談かなぁ?

■桂文太のあいうえおコレクション(る)(2003.5.24.sat)

 少し時間があったので、難波から日本橋の「文楽東ビル」まで歩く。途中見かけたみたらし団子がどうしても食べたくて、5mほど通り過ぎていたのに、戻って買う。薬局でウェットティッシュを買い、配付ティッシュを貰って、私にしては珍しく余裕を持って入場。お団子はまだ温かくて、子供に戻って食べながら開演を待つ。人目があるので、蜜の二度づけはガマン。

 本日のラインナップ。   染左さん「始末の極意」ひつこくなくて、スピーディーでいい!
  文太さん「瑠璃壺芝居」アメージング!
  阿か枝さん「祝いのし」上方のは初めて聴きました。二度目はおかみさんじゃなくて、清八がアドバイスするのかぁ……。ずいぶん印象が変わるなぁ。
  文太さん「類聚集覧」ファンタスティック!

 昨日の千朝さんも同じ感覚なのだけれど、落語を、というより、文太さんを聴きに来たという感じ。うまく言えないけれど、ジャンルを越えたエンターテイナーとして、この人が好き。たとえばこの人がやるなら講談でも浪曲でも朗読でも好きになっていたかも。

 今日は助演も好きな人揃い♪で、今日も落語の後の幸せな宴会。梅田の吉朝さんの独演会へ行った方々と合流する前に、久し振りに百番に行ったら、ビール券が復活していてガッツポーズ!ハイなまんまで、とりとめもなく喋って帰宅し、あまりに満足していたため落語は今日はもういいわい!と、贅沢にも紅梅亭を観ず、録画もせず、「病院坂の首縊りの家」のビデオを見る。子供の時に観たより、佐久間良子と桜田淳子がずっとずっと美しい!映像も巧みで、こないにええ映画やったかと、驚く。

 で、あのぉ、今ちょっと、金田一は次の日に延ばして、紅梅亭録画すればよかったかと………あのぉ、誰かビデオ貸して下さい。

■千朝落語を聴く会(2003.5.23.fri)

 先週末に遅い衣替で、狭い部屋中に洋服たちをまき散らしていて気づきました。白・黒・茶・ベージュ・たまにブルー。う、色がない、色気もない。そういえば、おかんが「娘というのは、もっと華やかなもんやと思うんやけど、うちのんは……」と、口癖のように言ってっけ。でも夏物はそうでもないはずと、さっき引き出しに詰めたばかりの夏物たちを振り返ると………さらにモノクロームの世界やないの!全然自覚してなかった。

 私が100歳まで生きるとして、いったい何枚の服が着れるというの?その上、似合う服というのは歳とともに移り変わるワケで。あかん、こんな同じようなもんばっかり着てる場合やない!と、一念発起してほんまに久し振りにピンクの服を買いました。

 おニューを下ろすなら、絶対この日に限る!というわけで、ウキウキ2倍で大好きな千朝さんの会へ行って来ました。いつものごとく、週末の人込みを疾走してたどり着けば、吉坊さんが「箕面の滝食い」してはった。今日のラインナップは
  吉坊さん「蛇含草」
  千朝さん「宿替え」
  出丸さん「強情」
  千朝さん「猫の忠信」

 千朝さん♪いつものことですが、でてきはっただけで、目元・口元がゆるんでしまう。
 宿替えの先が二辻向こうという演出に激笑い。どんだけ迷ってるんですか、もぉ!!結婚するのに、うどん屋の二階ですら使わず、神社の暗がりでごそごそっとすませてしまうアバウトさ、それでいてクドクドとヘリクツ多く、瞬時として黙っていられないお父さん、あぁお父さんお父さん!!なんてラブリー!!アタシ、こういう人と結婚したい!!

 ラブリーな宿替えと対称的な「猫忠」。座布団からちょっと浮いているかのように、ふわふわユーモラスな千朝さんなのですが、ニセ常吉登場から終わりまでは、めくるめく怒濤の数分間。寒気すら感じました。無駄なく小振りなアクションだし、独特な世界を見せてくれる千朝さん、声の抑揚もそれほど変えたりしないのに、きゅきゅきゅきゅーっと惹き付けられるんですよねぇ。大大大好きです。いつも満面の笑顔で帰る「千朝落語を聴く会」ですが、今日は特に幸せでした。

 で、今現在私の部屋には千朝さんのサインと、熨斗のついた袋に入った手拭が飾られています。どんな手拭か広げてみたいのだけれど、この結び目を結んだのは千朝さんかも?と思うと、ほどけないんです。恋だな、こりゃぁ……。

■古書市(2003.5.18.sun)

 夕方から心斎橋大丸で開催されている古書市へ。

 小さなスペースだけど、それだけに各書店さんが本を整理しておいてあるので、とても見やすい。でも、いいな、と思った本・図版はたくさんあったのに、そういうのに限って高い!安部定の供述調書をまとめた本は1万8千円、レンタルビデオで「愛のコリーダ」何回借りられるねん。「浪花百景」、バラで1枚3万円!全部揃ったのは450万円!!どひゃー。
 宝くじがあたったら「ここから、ここまで全部頂戴。おつりはいらなくてよ」と財布丸ごと渡して、店員さんにリアカーで家まで持って来てもらうんだい。と、激しくストレスをためながら、指をくわえてさまよい歩く。
 目が疲れてきたし、もう帰ろうかな……と思ったころ、ふと視線の先に「桂米朝 上方落語ノート」が。まぁ‥‥これは持って無いわ、と手に取り、箱から本を抜いて、奥付に貼ってあった価格表示を見ると……

 「サイン付、3000円」

ええぇっ!!と驚きページを繰ると、表紙の裏に確かに「かつら米朝」と麗しい文字!!ニコニコしながら払いを済ませて家に連れて帰りました。

 よろしいか?万が一古書市で米朝師匠のサイン本を見つけることが、それほど珍しくないとしても、たとえ3000円が高いとしても、絶対絶対私の耳には入れないで下さいね。あぁ、私幸せ♪

■桂福矢勉強会(2003.5.17.sat)

 天気もよくて、めっちゃホリデー。朝から大掃除・洗濯祭。

 きれいに片付いた台所でウキウキと昼食。

 しかし………教訓、チャーハンは掃除する前に作るべし。延陽伯のアホとレベルが一緒やがな。やむなくもっぺん台所を掃除して、「日本の話芸」見て、昼間っからビール飲みながらお風呂に入って、昼寝してから茶臼山舞台の福矢さんの会へ。猫背で切れ長の目つきスルドク、ゆらゆら首を揺らしながらしゃべるお姿が、なんだか張子の虎のよう。(言っておきますけど、二次的な意味はないですよ、あくまで動き方がが似てると思っただけですよ!)福矢さんて、口調はナゲヤリだけど、話す内容はナゲヤリじゃないのがおもしろい。動き方はともかく、血肉のある立派な若虎の雰囲気……。

  まん我さん「寄合酒」
  福矢さん「みかん屋」
  文華さん「舟弁慶」
  福矢さん「代書」

 知り合いの間ではずいぶん評判のいい会で、おもしろかったよ、お薦めよ、とはよく聞くけれど、みんなニヤニヤ笑ってどんな会かは教えてくれなかったのだけど、………あのマクラは確かに人には言えない。内容がキワキワだし、なにより人に話すのもったいない。ましてやネットには書けっこない。

 落語で印象的だったのは代書屋さん。小憎らしいけどチャーミング。確かにお客さんのカワイさんもタイガイなお人なんですけど、実際にあんな行政書士おったら、「モーレツ!怒りの相談室」で槍玉に上がることウケアイ。そんな愛すべき困ったちゃん達を、指さして楽しめる落語って、つくづく素敵なエンテーテイメントやわ、と満足しながらほどほどに飲んでカラオケに行き、すっかり発散して帰宅。

 疲れも汚れもすっきりきれいで、楽しい一日。これで明日もお休みとは……落語の神様、私今日も幸せです。

■べにこごvol.11(2003.5.13.tue)

 第2火曜なので、べにこご。

 紅雀さん「いらち俥」
 こごろうさん「野崎詣り」
 紅雀さん「餅屋問答」

  中入

 トークタイム
 今回は中入の間にお客さまに匿名でアンケートを書いていただき、それをざっくり斬ったりつっこんだり感心したり、発展しておいしいものや恋、「マイペット屏風をつらぬく!」の話になったり、とりとめなくただただ楽しい時間。終了時刻は22時40分で最長記録を更新。

 楽しかったぁと帰り際、ふとしたことで転び、私は無傷だったけど、鞄の中に入っていたお客さまの差し入れの「柳蔭」が粉々。ぎゃぁぁぁぁ。来月持って来て、会の後お客様にも飲んでもらおうということになってたのに……。その上、カバンの中には、いままでのチラシとか、つれづれのバックナンバー一式が入っていたので、みんなしめってほのかにミリンのいい匂いがする。………え、えーと、「紅雀のつれづれ」のバックナンバー、受付にありますので、欲しい方はおっしゃってください。ちょっとシワよってますけど……。



 さて次回vol.12は6月10日。よろしかったらぜひ。この会が終了後しばらくべにこごは夏休みをいただくことになってます。秋の訪れが早ければ再開は9月、遅ければ10月です。考えたら、1周年記念はそれまでお預けなのね……。

■「水の都の原風景」(2003.5.3.sat)

 浮世絵師初代長谷川貞信の「浪花百景」が大阪城の天守閣で公開されているというのを聞き、ぶらりと出かけて来ました

 鶴満寺にはちゃんと桜が植わっているし、中之島の鮹の松はまだ健在だし、新町も雑魚場も赤手拭稲荷も大賑わい。玉江橋の向うには四天王寺の五重塔が真正面に見えている。あぁ落語の世界の光景がそこここに。おぉぉぉ!!

 浮世絵の側に、そのポイントの現在の写真があり、比較できるのも楽しい。

 一枚の写真になんか見覚えがあると思ったら、南光亭でこないだ行ったばかりの南御堂じゃないの。まぁ素敵な建物なのに、なんで建て替えちゃったの?もったいない……と思ったら空襲で焼けてしまったそうです。こうして見ると、大阪の名所で戦災で失われたところ、多い。そうか、大阪大空襲って、聞いたことある!!両親が生まれたころにはまだ、自分とこの国も戦争してたこと、すっかり忘れてた。

 去りがたく、この会の図版と「古写真 なにわ風景」という昭和初期の写真集を買って帰る。それをめくりながら、あと、60年もしたら、私の見ている普通の風景も、変わっちゃうんかなぁ……、などと考える。変わった方がいいもんもたくさんあるけど、天人さんとか太融寺さんとか通天閣とか、あと太陽の塔とかは、そのままでいてほしいなぁ。……って、しっかりあと60年生きて、うっとうしがられながら昔のことを若い人に語ってきかせようと、ちゃっかり決めてる私。目指せ語り部。

■ゴールデンウィークTORII寄席 特別企画〜桂米朝の会(2003.5.2.fri)

 都合が悪くなった方からチケットをいただいて、見に行くことができました。ちと使い方は違うけれど「人の不幸は密の味」という言葉が胸にぴったりくる今日の私。おおきに、ありがとう、ありがとう、ありがとう!!

 一日ウキウキと仕事して、やっと夜。電車は難波に6時26分に着くという。6時30分の開演にはちょっと間にあわないか?!思わず会場に先に到着している知人に、
「会場で騒ぎ起こして開場時間を引き延ばしといてください」と、物騒なメールをする(ちょっと……いやかなりマジ)

 ビラ配りのお兄さんを突き飛ばし、週末の地下街を大疾走。な、なんと間に合ってしまいました。あぁ落語の神様、おおきに、ありがとう、ありがとう、ありがとう!!

 フラフラになりながら着席、かなりの興奮状態で迎えた吉坊さん、笑顔が輝いて見えました。

  吉坊さん「胴斬り」
  小米さん「口合小町」
  米朝師匠「百年目」
  中入
  吉坊さんと乱入団朝さんによる大抽選会
  米朝師匠「堺飛脚(だそうです)」

 普段から落語会って、この世であってこの世でない感じがしますが、今宵は特に夢のような、不思議な夜でした。

 吉坊さんはまるで落語の妖精のようにチャーミングで、小米さんの「口合小町」のおかみさんは藤山直美さんのようで、ずーっと笑いっぱなし。

 米朝師匠は……なんといえばいいのかわかりませんが、こんだけたくさん人がいるのに、なんか一対一で落語してくれてるような不思議な気分。こういう幸福な誤解はしたもん勝ちですよねぇ……♪感想なんかどう書いたらいいのかわかんないもん。M夢兄さん、かわりにしっかり見届けましたよ!楽しかったわぁ……♪

■たまのフレンドリ−寄席(2003.4.27.sun)

 私にとってはカンフル剤の笑福亭たまさん、久し振りに聴いてきました。

 たまさん「明石名所」
  「伝統芸能ですから、笑いはあまり期待しないでください」とは、なにをおっしゃるやら。旅の道すがら「俺、おもろいこと言ったるねん!」と、闘志を燃やして、駄ジャレ言いまくる男と、「かかってこんかい、全部つっこんだるねん!」という感じの男の、スパイク vs 回転レシーブのラリーがおかしくておかしくて。

 まん我さん「寄合酒」
  まん我さんから見たたまさんについてのマクラがおもしろい。たまさんとは飲み友達ということです。なんか不思議な組み合わせ。まん我さんの出番を最初から見られるというのが、ものすごく久し振りで、さらにこんなに長くマクラでしゃべってはるのを聴くの初めて。動物っぽい愛嬌があって大好きな噺家さんです。もっとたっぷり聴きたい。

 たまさん「長短」
  たまさんが気の長い人やる姿、想像できなかった。気が長いだけじゃなく栗饅頭おいしくって舞い踊ったり、変態チックなキャラクター造型に笑い袋を鷲掴みにされました。短気の人、なんでそいつと友達なんやねん?そういう不思議さも◎

 遊方さん「ペンギン・ア・ゴーゴー」
  人をコケにして楽しむのも、落語だったら全然OKなわけで、遠慮なくゲラゲラと笑う。悪意のある視線で人を観察するのって、めちゃおもしろいよね。でも、なんで「ペンギン・ア・ゴーゴー」なんだろう?

 中入

 たまさん「資料室長 山寺飄吉」
  福笑さんの新作。登場人物の非常識さが○。特にお母さん◎。

 ストーリーも人物も盛り上がりも「資料室長 山寺飄吉」が文句なく一番おもしろいんですが、「明石名所」がすごく印象に残りました。男の友達がよくこういう言葉遊びをムキになってやってるよなぁ……なんて、普段は昔話として聴いてる旅ネタが、自分の普通の感覚で楽しめたのはちょっとびっくり。

 で、なんでカンフル剤かというと、たまさんの会に行くと、妙にエネルギッシュになって、おもむろに何か新しいことを始めたくなるんですよね。本屋に飛び込んで、さっきまでサラサラ取る気なんてなかった資格の本とか、語学の本を買い込みそうになったり、頭の中にロッキーのテーマ鳴らしながら、ジョギングとか腹筋したくなったり。こうしてはおられへーん!!うぉー!!っと絶叫したくなるんですよ。(こんなん私だけか?そんなことをいいつつ、この日私がやったことといえば、新世界で行われていた宴会に参加して、瞳に炎を点してひたすら飲みまくって、食べまくっただけなんですけどね。)

 ホント不思議な噺家さんです。

■豪商鴻池(2003.4.26.sat)

 大阪歴史博物館の「豪商鴻池」展へ行って来ました。

 クロがいて、食の旦那も宿泊していた(?)今橋のお屋敷の平面図があったんですが………広い、とんでもなく広い。蔵、なんぼほどあるねん!!また、ここ以外にもいっぱいお屋敷もってはるし、分家もいっぱい!私が想像してたのとス、スケールがまるで違う。

 茶道具や衣類、食器等、豪華なものに混じって展示されていた帳簿類の几帳面なこと!茶道具をいつ誰から買って誰に売ったとか、何月何日に虫干しした、とかまぁ細かい細かい。こうでなければお金って貯まらへんのやろうね……。家計簿まともにつけられない私は、其の時点でダメダメ……。

 他にも、熊本の細川さんにお金を貸した証文を見ては「淀屋さんはこれを回収できへんかってんよなぁ……」と思ったり、鶴の卵で作った盃を見てたまげたり、たいへん楽しい展覧会でした。閉館1時間前に入ったので、ゆっくり見られなくて残念。今度は常設展も見に行こう。

■ ほんまち・南光亭(2003.4.25.fri)

 今日のこの日を待ちかねた。給料日だ、南光亭だ!雨が落ちる中駆け付ければ、雀五郎さんの「宿屋町」ほとんど終わりかけ。
 会場は大入り満員で、場所柄か会社帰りのお父さんたちが多い、渋い大人な会でした。

  雀五郎さん「宿屋町」
  こごろうさん「くっしゃみ講釈」
  南光師匠「桜の宮」
   中入
  米二さん「宿替え」
  南光師匠「恨み酒」

 こごろうさんの「くっしゃみ」、いつもどこか違う。今日もいろいろ試してみてる感じやった。十分おもしろいのに、まだまだぁっ!!という気合が感じられて、なんか、その心意気がすごくかっこよく思える。

 南光さんを小さい会場で見るのはとても久し振り。何がどんな風によかったかと聞かれたら、うまく書けない。「桜の宮」は特にキャラクターの演じ分けとかしてなくて、アクションも語気も、飄々と抑え気味。あの溢れ出るようなおかしさが素敵。

「恨み酒」へたするとネチネチダラダラしてるのに、目も耳も釘付け。薄笑いしながら、目の前の酔っぱらいを静かに観察する快感。これは子供にはわからん楽しみやなぁ。へへ。

 こんな会に行くと、あぁ、男に生まれたかったと思ってしまうのよねぇ……。しかし、私抽選って当らないよなぁ……。ストールとか、ストラップとか、ほしかった。神様、どうぞ私に運を授けたまえ。

■第四次雀三郎みなみ亭vol.8(2003.4.21.mon)

  雀太さん「延陽伯」
  雀五郎さん「崇徳院」
  雀三郎さん「野崎詣り」
   中入り
  雀喜さん「二人癖」
  雀三郎「口入屋」

 19:00開演がうれしいこの会。それでもいつもの調子で転がり込むと、縁談はすでにまとまってました。雀太さん、その迫力がおもしろい。

 始めに力ずくでガツンとやられたせいか、ひさしぶりのみなみ亭だったせいか、子供のようにはしゃいでしまって、体に悪いんじゃないんか、というほど笑って過ごしてしまいました。また、今日は結婚だぁ、お参りだぁ、勝負だぁ、夜這いだぁ!とどたばたとテンションの上がるネタばかり。あんなに笑ったら、脳みそ壊れる。

 終演後、心安い人たちと飲んでいる間も異様にハイ。何を聞いてもおかしくて笑いっぱなし。落語って………、というか雀三郎さんて、おっかしい。「じんじろ」がなっただけで、条件反射で笑ってしまうもんなぁ……。

■文楽!(2003.4.20.sun)

 今日も文楽。先週とは昼夜入れ代わっているので、同じ時間だけど違う演目。今日はいつにもまして着物の人が多くて華やか。

  景事面売り
  吉田簑太郎改め・三世桐竹勘十郎襲名披露口上
  襲名披露狂言 絵本太功記
   夕顔棚の段
   尼が崎の段
  紙子仕立両面鑑(かみこじたてりょうめんかがみ)
   大文字屋の段

 文楽の楽しみの一つが人形の衣装。承りますれば、衣装を見ればその役どころが一目瞭然なのだそうな。そういえば、若くてきれいなお姫さまは、たいていあんみつ姫みたいな格好してるなぁ。今日一番目立ってたのは「絵本太功記」の武智十次郎君。桜色の着物にツヤッツヤのド紫の肩衣という一昔前のアイドルみたいなカラーコーディネイトで、登場した時おもわず目を丸くしてしまった。しかもその美少年の人形の側には、おじいちゃんの顔がくっついている。 まぁ……強いて描けばこんな感じ?その彼女の初菊ちゃんも、側におっちゃんの顔がくっついてるのだけど、動きがすごく初々しくて、ちゃんと少女に見える。見ているうちに人形遣いの姿が気にならなくなってくるんですよね。人形がまるでタッキーとあややみたいに見えてくるから、芸ってすごいです。

 そして、襲名披露口上を生で見たのは初めてでした。黒の着物に若竹色の肩衣・袴をつけて居並んだ姿を見ると、気おされるというか、壮観というか、すごい迫力。系図マニアならずとも、落語ファンが口上というと意気込んで出かけて行く気持ちがなんかわかった。すごいワクワクしますね。ねぇねぇ、上方落語界でも、誰か「襲名」しないのかなぁ……。

■骨(2003.4.19.sat)

 実家で両親となごやかな晩餐。献立はキャラブキの佃煮、タケノコとワラビの煮物、チラシ寿司、そしてカレイの一夜干し。で、このカレイがワザしよったんです。

 上機嫌でしゃべっていた父が突然、字で表しにくい奇声を上げて洗面所に駆けこみ、けたたましくうがいをしたり、あげくに喉に指をつっこんでゲーゲーやりだした。カレイの小骨が喉に刺さったらしい。

 父は10分ほどエズいた後、母のすすめでごはんのカタマリを飲み込んだり、桜餅を飲んでみたりしていたが、どうにも取れなくて苦しいから病院に行くと言い出した。

 んな大袈裟な、ほっといたらそのうち取れるがナ。でも、こういう時には何科に行ったらええのん?またどういう処置をするの?そんな興味もあり、目的地も定めずガムシャラに出かけようとする父を押しとどめ、とりあえずは市民病院の夜間窓口に電話し、カクカクシカジカ事態を説明した。

病院の人「そういう時は口腔外科の担当になると思うのですが、今先生がいないので処置できません。それに看護婦も少なくて……」
私「苦しんでるんです。他に診てもらえる病院ご存じないですか」

 そこで医療情報センターというところの番号を教えてもらってかけてみた。

センターの人「え?魚の骨?そういう場合、何科になるんでしょうねぇ?」

あの、聞きたいのはこっちなんです。

センター「耳鼻咽喉科?いや、口腔外科かなぁ?(困ってる)うーん口腔外科やったら○○市民病院にありますよ」
私「そこに電話したら診ていただけないそうなんです」
センターの人「そしたら……あとは都島ですね」
私「ちょっと遠いんです。うちは○○なんですが、もう少し近くに診てもらえるところありませんか。」
センターの人「お調べしますね……えーと、東大阪か河内長野はどうでしょう」

おっちゃん、それもっと遠くなってまっせ。

センターの人「(ものすごく困っている)あの……それやったら救急車呼んでもらった方がいいかと思います」

 イラチな父は、私がそんなやりとりをしている間もガマンできへんのか、話も途中で出かけようとする。それをまた押しとどめて電話を切り、

「お父さん、救急車呼ぼう。病院行ってもラチあかんでぇ」
と、ちょっとおもしろがってる私が言うのも聞かず、魚の小骨で救急車を呼ぶのは体裁が悪いのか、自分で車を運転して始めに断られた市民病院へと出かけていった。

 たかが小骨だからええようなものの、もっと大変な病気だったら、あんな頼ん無い応対されたら困るよ。そういう人はハナから救急車呼ぶでしょ。それで正解よねー。でもお父さん、何年魚食べてるねん。あれで漁師の息子とは情けないよな。大騒ぎしすぎやー。堪え性のないイラチやー。

 などと残された女二人でケチョンケチョンに言い散らかし、やがてそれにも飽きてテレビをぼんやり観ていると、ずいぶん時間がたってから疲れた顔で父が帰って来た。

 散々待たされたあげく、麻酔かけて内視鏡で喉を確認しただけで、なんの処置もしてもらえずに、診療費とられて帰って来たらしい。

 それって、取ったらモギ取りかわろかわろ〜ちゃうのん。すっきりせん気分のまま実家を後にしましたが、もしも口腔外科の先生がいたなら、いったいどんな処置をしたんでしょうね。まさか切開?それとも長〜いピンセットを使うんやろうか。気になる〜。

 さて小骨ですが、メールで問い合わせたところ、次の朝目覚めたら自然に取れていたそうです。「大騒ぎをして恥ずかしいです。どうぞご放念ください」というレスが来ていました。お父さん、まさか娘にネット上でバラされてるとは知らんやろうなぁ……ククク。

■直通特急(2003.4.18.fri)

 夜、野田へ行く用事あり。仕事がおして地下鉄から阪神のホームへ走ると、今まさに出発しようとする電車のベル。これに乗れれば約束には間に合う!!
 タッチの差で乗り込みほっとした私を、車内放送が爆撃した。
「この電車は姫路行きの直通特急。次の停車駅は尼崎〜尼崎〜」

 血の気がひくというのはまさにこういう感覚でしょう。(野田は梅田から2つ目、尼崎は8つ目の駅です。)
 間違えたのは自分なんですけど、尼崎へ到着し、準急で野田へ戻るまでの間、私の頭の中では阪神電車への怒りの言葉が頭の中をビュンビュン飛び交ってました。

 ブツブツブツ
 なんでや?!野田ぐらい大きい駅やったらフツーどの電車でも止まるで!!
 ブツブツブツ
 私が尼崎落語勉強会に行く時には直通特急なんて出会ったことないのに。今日に限ってどういうこっちゃ。
 待て待て待てぃ!直通?それやったら姫路まで停まらんと行かんかい!どこが直通やねん!!(ホンマにそうやったら困るくせに……)

 約束の時間には20分の遅刻。失敗の責任はなるべく他人に押しつけたいのが人間の心理なんですが、どこをどのように曲りくねった思考をしても、不注意な自分が一番悪い。それを認めるのが悔しい。

■……ほめられた(2003.4.17.thu)

 あぁなぜに木曜日にラクゴリラ。泣きながらお茶のお稽古へ。気を残していたせいか、いつにもましてお点前めちゃくちゃ。
 ため息をつきながらも笑顔で師匠は言った。
「でも、さやかちゃんは着物が似合うから、いいわよね」

 お?似合いますか?うれしいなぁ、とタモトを振り振り帰える道すがら、ふと気づいた

 これはもしや、お浄瑠璃の出てくる落語のマクラで、稽古屋の師匠が、どーしょーもないお弟子さんを力技でほめるんと同じ事例ではなかろうか?

 笑えないなぁ。

■妹背山婦女庭訓(2003.4.13.sun)

 昨日に続いて休日出勤、慌ただしく片づけてうぐいすさんと日本橋の国立文楽劇場へ。

 16:00開演の「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」
 本日の死者6人、ほんまに文楽はよく死ぬ。そんでまぁ、蘇我入鹿のワルワルいこと!あんな悪人見たの久し振り!!
 若い男女が結ばれぬ恋をして、入鹿のせいで川をはさんだ家でそれぞれ死んでしまうのですよ。せめて祝言を、と泣く泣く娘を斬った母が、その首を雛の道具と対岸へ流すんです。そこには息子に腹を切らせた悲しい父が待っていて、嘆きながら首や道具を引き上げる。その袖や雛道具が、血で真っ赤に染まるのが見えるようでした。泣いてしもたがな。

 こんな悲しいことになったのも全部入鹿のせい。悲劇を目撃した私にしてみれば、ヤツがギッタンギッタンにやっつけられるところ見ないと気が晴れない!でもそれは見せてくれなかった。そういえば、「菅原伝授…」では内裏に雷を落として復讐するところはなかったし、「冥途の飛脚」の時には、その後二人がどうなったか教えてくれなかった。その演目が上演された当時は、結末がどうなるかなんて常識で「結果はええから経過を濃ゆく見せてほしい」ってお客さんが望んでたんかなぁ。それでも文楽って現代の客にムゴいゾ。

 文句を言いながら、かなり文楽好きになりつつある私なのでありました。来週も行くぞ。

■桂喜丸独演会 in WKH(2003.4.12.sat)

 土曜日だけど、仕事で、結果8分ほど遅れて入場。

 まん我さん「牛ほめ」
 わかばさん「片棒」
 喜丸さん「子は鎹」
  中入
 和光亭幸助福助さん「漫才」
 喜丸さん「くっしゃみ講釈」

 お茶をいれる手付き、お母ちゃんの仕種。喜丸さんが繊細な動き方をするとなんであんなにおもしろいんだろう。流れるように美しいのが妙におかしい。

 子は鎹って、子供がかわいくて、健気でメデタシメデタシ……というだけの噺じゃなかったんだなぁ……と今日しみじみ思った。夫婦だけど親だけど「我」のあるベッコの人間だということ、家族の枠組みの中にいると中々わからなくて、自分が子供を産むような歳になってやっとそれが理解できて、だからやっとこの噺をイイと思えるようになったんだなぁ。私が感情移入する対象がトラちゃんからおかあちゃんに移っただけ?それだけじゃないよな、きっと。情愛や人間らしさにあふれる、いい高座でした。

 ところで、わかばさんの「片棒」聞いていて思ったんだけど、「リア王」とか「美女と野獣」とか「ブーフーウー」とか、三人兄弟(姉妹)が出てくる話は多いけれど、たいてい末っ子が一番出来がいいのは、なんでだろう?

■べにこご vol.10(2003.4.8.tue)

 前回、日付けの間違ったチラシを配布してしまった。一人だけ連絡のつかないお客様がいて、事務サイドはハラハラしていたのだけれど、いつものようにおいでくださった。胸を撫で下ろして、お詫びと心配していた旨を申し上げたらば、
「だって、べにこごは第二火曜日でしょ?」
と、クールにお客様。そんな風に、私的には大変ハッピーにはじまった今日のべにこご。今日で10回目。

  こごろうさん「七度狐」
  紅雀さん「花色木綿」
  こごろうさん「桜の宮」
  中入
  楽屋着トーク。今日から衣更え。こごろうさんのラジオの話で大盛り上がり。

 旅に出て、空き巣に入られて、お花見に行ってその先々で大騒ぎ。天人さんの門口には桜の花びらが吹き寄せられて、外も春、中も春。

 今日は笛の上手な噺家さんがお手伝いに来てくれていたので、二番太鼓に笛あり。それに準備中にアラレちゃんの主題歌を聞かせてくださったりして、おちゃめに笑わせてくれた。

 そんなこんなで今日もうきうきと楽しい一日でした。次も「べにこご」は第二火曜日です。

■春にして君を思う〜枝雀一門会(2003.4.6.sun)

 よっしゃ行ける!とわかった時には前売は完売。座れるのか?とビクビクしながら当日券で入場。やや早めに出かけてたので、よい席をゲット。そんな調子なのでもちろん会場は大入り満員。

 二番目に出たこごろうさんが言った。「落語はアホになって聴いてください」OK!私いっつもアホになってるで♪
「‥‥でも、家に帰るまでにはちゃんと元に戻って下さい」うーん、それは時々忘れてる。

  雀喜さん「うなぎや」
  こごろうさん「阿弥陀池」
  雀々さん「花ねじ」
  「桂枝雀とその仲間・その3」
  あれれー、む雀さんは?と思ったら、ラジオオンエア中で電話でのご出演。
    中入り
  雀松さん「たいこ腹」
  南光さん「ねずみ穴」

 印象的だったのは枝雀師匠の三着の高座着。テトラポット、毎日香、レンコン(別名貧乏神)と、アダナがちゃんとタトウ紙にマーカーで書いてあるのもおもしろい。雀太さん雀五郎さんまん我さんがそれぞれ掲げて客席を一周。お端折のない男性の着物は見なれていないけれど、なんだかとても小さくてかわいらしく見えた。
 今年は枝雀師匠の落語放映はなくてさびしい。だって私は枝雀師匠を生で見ていないから、たくさんの人と枝雀師匠の落語を共に楽しむというのが、去年の「愛宕山」の放映が始めてだったんです。
 そも私は枝雀師匠には「なにわの源蔵」の海坊主の親方として出会いました。水曜の夜20:00が待ち遠しくて待ち遠しくて、私があんまり好き好きいうもんやから、枝雀師匠がテレビに出てると父が呼んでくれるようになって「ふーん、親方落語も上手なんやぁ。かわいいなぁ、おもろいなぁ」なんて思ってた。今もきっとどこかで、小さな子が枝雀師匠の映像をキラキラした目で見てるんやろうな……。と、べにこごの時に、近所の小さい子が、こごろうさんと紅雀さんの落語を聞いてキャッキャッキャいうて喜んでいた姿がふと、目に浮かんだ。

 落語の方も、同じ一門といえども、噺家さんのバリエーションの豊かさに感心。でも、思わず頭なでに行きたくなるような愛嬌はみなさん共通やなあ……と思いました。私には久々に大きな会場での落語会ということもあり、春らしい晴れやかな時間を過ごすことができました。

 軽く一杯やってから、盛りの桜を見に知合いと待ち合わせ。天満・桜ノ宮の川辺をそぞろ歩いてきました。本当は桜のシーズンに、例の噺家クルーズに行きたかったんだけど、チケットとれなかったんです(盛況だったのか?)。でも、水上からでも地上から見ても桜は桜。たっくさんの花がぼんやり光っているみたい。あれだけすごいのを見ると、あんまりお出かけしない私でも、やっぱ桜は名所で見なきゃって思います。

 春満喫の一日でありました。楽しかったぁ。

■紅雀と阿か枝(2003.4.2.wed)

 落語会のチラシなんだけど、なんか他の目的にも使えるものにできないかしらんと、4月のカレンダーを入れたチラシを作らせてもらった。それなのに同時進行で作っていた「べにこご」のチラシ、開催日を間違えた。わからない。まったくもって自分がわからない。落語を聴いた喜びまで忘れてしまわないように、真面目に日記はつけておこう。

 当日のラインナップ
  ひろばさん「阿弥陀池」
  紅雀さん「花色木綿」
  阿か枝さん「牛ほめ」
   仲入り
  阿か枝さん「うなぎ屋」
  紅雀さん「始末の極意」

 すっきり無駄がない阿か枝さんと、むしろ無駄かとも思えるところにこそ味のある紅雀さん、交互に見ると個性が際立って感じられて楽しい。
 三か月に一度の定期開催ということですが、仕事の時間の関係でトップバッターにほとんど間に合わない私には、かなりうれしい会です。まん我さんや雀五郎さんもご自分の会やってくれないかな。若い人はなかなかゆっくり聴くことができないのよね。少し待てば、二つ目以降で聴けるんだろうけど、やっぱり今しかない味があるし……それにおばあちゃんになってから、「あの人の若いころ知ってるよ〜」と、落語ファンの孫にイバリたい。(邪念その1)

 この会は自分達の芸の鍛練のためのストイックなまさに「勉強会」。真面目にしっかり聞かせてくれて、好感度かなり高し。
 でもお二人ともとても美男子(邪念その2)なんだけど、そのきれいな瞳に世界がどんな風に映ってるのか、わからない不思議な感じがするので、キャラクターを生かしてトークとか漫才とかやってほしいと思ってしまう。そんなつもりで始めた会ではないのやと思うのだけど二人のカラミが見たい。(邪念その3)

 男前を前にするとミーハー魂がニュニュニューっと顔を出す。清く正しい硬派な落語ファンへの、道のりは遠い。

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