日記の看板・春
当庵主人の日記です。


■不可思議な夢(2002.3.15)

 こんな夢を見た。
 両親と落語を聞きに出かけた。とってもきれいなホールだ。いずみホールに似ていた。
 夢の中の私達はその落語会をとても楽しみにしていた様子で、とてもウキウキしていた。それは実在する有名な落語家さんの独演会で、トリは「百年目」という設定になっていた。独演会なのに自由席で、私達家族は後ろの方の席に座っていて、早く始まらないかな−などと話していた。
 すると、一人の野良仕事ルックのおばあさんが騒ぎ出した。彼女は「早くからこの会を楽しみにしていて前売買ってたのに、なんでこんな後ろの席なんだ!」と怒っていた。スタッフがたくさん出て来ておばあさんをなだめていたけれど、彼女の怒りはおさまらなかった。
「あんたら、私が落語に詳しくないからってバカにしてるやろ!こう見えても私は落語ファンなんや!」
 そういっておばあさんは、百年目のあらすじをすっごく詳しく話し始めた。そんな彼女に夢の中の私はキレた。
「ちょっと!私はあんたの話聞きにきたんとちゃうねんで!○○○師匠の落語聞きにきたんや!あんたも落語ファンなら、ちょっとは考えたらどう!?」
夢の中ということでとても大胆になっていた私は吠えた。で、その結果おばあさんを泣かしてしまった。  で、あとは一生懸命おばあさんに謝り続けて、結局許してもらえず目が覚めた。
 後味悪すぎ。あれだけフルカラーでリアルな夢が見られるのなら、枝雀師匠に会えたらよかったのに。どうしてこんなろくでもないシチュエーションなの?今夜はもっといい夢が見られたらいいなぁ。

■脂肪率と女らしさの関係(2002.3.14)

 私はストレスで太る体質ですが、まったく逆の人もいる。私の以前の上司がそうだった。仮名は高尾さんにしとこう。仕事が忙しくなればなるほど、あからさまに私は膨張し、高尾さんはエグレていって、他の同僚におもしろがられていた。
 私「高尾さん、ストレスで痩せるって、すごく女らしいなー。はかなげでいいですよねー。
   それに比べて私ったら……悲しい」
 高尾さん「それは逆よ。女はねー、ストレスに耐えるために脂肪で武装するように
      体の仕組みができてるの。だからあなたはとても女らしい体質なのよ。」
 それを聞いた時にはめちゃくちゃうれしかったぁ……。女らしいなんて言われたの、後にも先にもそのときだけやわ。で、なんでそんなことを思い出したかというと、職場Macの小銀ちゃんに「ロード.オブ・ザ・リング」のスクリーンセーバーを入れて、リブ・タイラーの顔が高尾さんに似ていることに気づいたからなのです。
 リブ・タイラーは美人だ。それに似ている高尾さんも当然すごい美人だ。女らしい体質であることよりも、ストレス痩せする美しい体の方がええわ。だから米左さんの会に行けなかった心の隙間を、食べ物で埋めるのはやめておこう。いやいや、やめておこうというに、なにゆえこんな時に限って、もらいもののお菓子があるのやろう……。いやはや……。

■今日は(2002.3.13)

 3月13日は桂歌々志さんの誕生日。おめでとうございます。
 歌々志さんが313、紅雀さんが515で覚えやすいねーと言ったら、我が落語友達ちかちゃんはニヤリと笑った。
「私は818やで」
 私は714。かすってるだけにちょっとジェラシー。おかん、なんであと3日お腹にいさせてくれなかったん?

■新世紀落語の会(2002.3.12)

 梅田は近いし開演19:00がとてもうれしい。いざHEPホールの新世紀落語の会へ!
 桂あさ吉さん「勇者あさ吉」(自作自演)これは、どんな情景を頭に浮かべたらいいのかな。ドラゴンクエスト風?日本昔話風?そのきれいなお顔でこういうお話を考えたというのもミスマッチでおもしろい。ケムに巻かれて脳みそはパニック。不思議な刺激でプルプルゆすぶられて一席目終了。
 桂三風さん「テレショップパニック・最新版」(自作自演)お客さんもネタの一部だ、おぉ〜♪好き好きこういうの!呼吸を心得た話術、ドラマチックな展開に最後まで笑い続けて二席目終了。
 桂吉朝さんはこの日の昼間に文部科学大臣新人賞の授賞式があったらしい。登場した吉朝さんの羽織のヒモの結び目にはリボンの花がついた名札のバッチがあり、手には賞状の入った筒と副賞らしき分厚い熨斗袋があった。
 「ハナシカ仮面に対抗しようと思って(笑)」そして、授賞式の様子をマクラでおもしろおかしく話してくださった。どんなところでもおもろいことを拾ってきはるねんなぁ。
 「狐芝居」(小佐田定雄さん作)。感動して流す涙は、あくびのついでや、悲しかったり悔しかったりして流す涙よりも温度が高くて成分も濃いらしい。陋屋に一人立ち尽くす尾上タニシの言葉に思わず溢れた出た私の涙は、相当ダシが効いていたと思う。吉朝さんの妙技にピン……とはりつめた空気が心地よい。お客もなんかの物質を空気中に発散していたに違いない。あぁ、あのままずーっと一晩中でも見ていたかったなぁ。名残惜しく三席目終了
 お中入
 笑福亭純瓶さん「夫婦の刺客」(山田てつさん作)お咲さん、私の頭の中では峰不二子だった。おもしろいんだけどさ、ご主人ちょっと気の毒すぎて、笑ったら悪いような気がするわ。
 ハナシカ仮面「プロレス狂の詩」謎のハナシカ仮面。マスクには結び柏。その和歌山訛りを聞いていて、ふと幼い頃を思い出してしまいました。小学校低学年のころ、近所に住んでいた初恋のいとこが和歌山に引っ越して悲しくて悲しくて仕方がなかったのです。でも一年くらいして和歌山に会いに行ったら、話し方がすっかり変わっていて、それですっかり恋は覚めてしまいました。ちょっと前まで大阪弁やったのに「さやちゃんらー」とか言うんだもん。ああ、甘酸っぱい思い出……、おっと横道にそれた。
 次から次へと出てくる格闘家の名前に専門用語。頭クラクラしました。これは人情噺で、偉大なるプロレスラージャイアント馬場へのオマージュ。その世界にはとんと暗い私だけれど、その熱き魂は伝わって来た、と思う。マスクの下にもさらにマスク、そして最後に素顔も見せてくれたハナシカ仮面。次にその勇姿を見られるのはいつの日やら。
 普段使わない脳細胞とか筋肉を使って笑った会でした。

■今日は立川デー(2002.3.11)

 今日はまぁまぁいい日。せっかくこしらえた弁当を持って行くのを忘れたのと、茶臼山に行けなかったことを除いては。
 とてもいい天気だったし、不思議に花粉症の症状がでなかった。昼休みに、前に見つからなかった本を取り寄せてもらおうと本屋に行ったら、再入荷されていて即購入できた。その内の一冊というのが立川志加吾さんの「風とマンダラ4巻」、ご存じの方、多いと思いますが、立川談志師匠のお弟子さんが二足のワラジで描いているマンガです。描き出された赤裸々な前座生活がとってもおもしろくて大好き。でも申し込むのがちょっと恥ずかしかったの。いろいろ手間がはぶけてうれしい。
 で、帰社して携帯ラジオをいじっていたら、操作を間違えてテレビに切り替わった。そしたら聞き覚えのある声が……。しかも落語ではありませんか。
「志の輔さんだぁ!」
 仕事を忘れて聞き入る。笑いを堪えて肩が震えていたのをひょっとして気づかれたかも知れない。ドラッグストアでの客と店員とのやりとりを描いた新作でした。なんというネタなんだろう?本当に偶然だったのでうれしくて仕方がなかったです。その後、天野祐吉さんと志の輔さん、それからNHKの女性アナウンサーとの鼎談が始まった。この新作は「人間のサガはすべて古典落語で描ききられているけれど、唯一物が有り余っているというシチュエーションだけがないので、そこを描いてみたくて作った作品」らしい。生活の豊かさと反比例して、能率とか役に立つとかいうことに拘泥して、本当の意味で遊ぶことを忘れている現代の人々の貧しさ、なんてことが耳に残った。そういえば世の中乾いてるような気もするな。でも、落語ファンはその図式あてはまらない人多いんじゃないスか?こそこそっと楽しいこと考えて、機嫌よく明るく生きていきましょーね。
 そう思ってたら、仕事で某社の「立川店」の地図を作ることになった。読み方は違うけれど今日は立川ついてるな。寝る前に談志師匠聴こ。

■岡町落語ランド(2002.3.10)

 ひさしぶりの休みというのは、案外ゆっくりできないものですねぇ。雑多な用事がぼろぼろぼろ。私の肌もアレルギーでボロボロボロ。
 お肌にはコラーゲンより落語です。幸いにも地元豊中伝統芸能館で「岡町落語ランド」があるじゃない。佐ん吉さんには間に合わない、でもちょっとでも早く行きたいから、バスを待つのももどかしく、タクシーで会場に乗り付けてしまいました。うわー、贅沢。(といっても1000円ちょっとなんだけど)
 満員の場内に息を殺して滑り込むと、二席目の笑福亭喬若さんの「動物園」が佳境に突入しておりました。
 金曜にこごろうさんのを聴いてから、私とちかちゃんは「動物園ブーム」。いろんな人のを見比べ聴き比べしたいねぇと話していたのでなんてタイムリーなの。鼻の穴を広げて派手なアクションの「動物園」でした。できるなら最初から聴きたかったです。ギャラが2万円なんですね。私が聴いたことあるのはどれも1万円。笑福亭が太っ腹なのか、喬若さんが太っ腹なのか、どっちだろう?
 吉弥さん「天神山」。マクラはお稽古中のわかぎゑふさん演出のお芝居の話。お化粧したら鏡に映っているのはお母さんだったらしい。うんうん、想像できるから尚更おもしろい。
 源さんが小糸ちゃんのお墓相手に飲むところが好き。真面目に受け答えして遊んでる姿を見てたら、へんちきに生きるのも結構楽しいかなぁ、と思う。ただ、落語ファンって、ああいうゴッコ遊び得意な人多いんじゃないかしら。吉弥さんみたいにうまいことはようせんけど、私も似たようなことやってる……かも。前半の主人公のへんちきさんと後半の主人公の雰囲気が違ってておもしろかったです。仕事きっちりで、真面目にやってるお姿から、おかしさがホワホワにじみ出てくる感じ。とってもおもしろかったです。
 好きな演目を好きな噺家さんがやってくれるのは本当にうれしい。こごろうさん「阿弥陀池」。今日は散髪後で、いつものこごろうさんだった。
 今日もマクラから爆笑させてくださいました。佐ん吉くんの高座を見ていて、ご自身の初舞台のことを思い出したということ。その話がもうケッサクでケッサクで!よく考えたら、内容からいって、当日思い付いたことをしゃべってはるに違いないのだけれど、よくも短時間にこれだけおもろいことを考えついて、しかもドラマチックに盛り上げられるもんだなぁー。すごいなぁ……。「10年たっても間違えるもんなんです!」と言ったら、めっちゃ盛り上がっているところで本当に言い間違えて、お客さん拍手して大喜び!あれはわざとじゃないと思うんだけど……、わざとだったらすごいすぎる。噺家の笑いを取る本能?!期待を裏切らないなぁ。ほんま好きやわぁ。ネタもいろいろこごろうさん流で、増やすとこは増やす、切るところは切る!でメリハリきいて大盛り上がりでした。あー腹筋よく使ったぁ。
 吉朝師匠「こごろう、あいつおかしいですな。なんか癒し系ですな」みたいなことから朝の連ドラの言葉の話などなど。ポツ、ポツと短く発せられる言葉一つ一つがまるで俳句のように濃い!ああいう言葉のセンスってやはり天性のものなんだろうか。磨く方法があるなら教えてほしい。素敵やわ。
 演目は「肝つぶし」夢の女に恋をするよしまさん、バカだと笑えない。すっごくすっごくやるせない。よしまの親父さんに受けた恩義から悲しい選択をしようとする兄さんといい、人情味溢れた渋〜い肝つぶしでした。しっとりええもん見せてもろた。お陰で、なんか肌がちょっと落ち着いたような気もする。
 かなり無理矢理時間を作って行ったのだけど、よかったなぁ。しみじみ。
 私は桂佐ん吉さんと林家市樓さんの初物喰いができなかったイケてない落語ファンだということを思い出すと、なんだかふつふつと憤りが。きぃぃぃ!(←ヒスってる)
 4日ほど前の私なら部屋の隅っこでスネてたろうと思う。ヒスるだけのパワーが戻って来てなんだかうれしい。さ、次はどの落語会に行けるかな。

■第1回ACTA寄席〜長い一日だったぁ〜(2002.3.8〜9)

 朝から晩までこれっぽっちの無駄もミスもなし。脳味噌も指先もなめらかに動き、2台のMacは手荒く扱われても、いじらしくがんばってくれた。ありがとう、おふみどんに小銀ちゃん(←Macの愛称)
 上司はきっとこう思っていただろう「いつもこうあってほしい」と。自分で言うのもなんやけど、今日の私はめっちゃ「デキる女」やった。何かが憑いていたとしか思えない。
 それでも手元には片付けるのに2時間以上はかかろうという仕事一本が残ってしまいました。

 (注:以下は田口トモロヲの声で読んで下さい)
 ACTA寄席、まん我・紅雀・雀喜・こごろう、大好きな、枝雀一門の若手、勢ぞろいの会だった。
 しかも、前座ではない桂紅雀を見られる数少ない会だった。しかし、これ以上、指は、動かなかった。もうダメなのか、と思った。
 ……電話が鳴った。クライアントからだった、申し訳ない、こちらの都合で、作業を明日まで待ってほしい、と言われた。それで、すべての風向きが、変わった。(プロジェクトエーックス♪)

 (あ、もう普通に読んでくださって結構です。)
 落語の神様ってイジワるで、シブちんで、おまけにアマノジャクやけれど、時々とても粋なはからいをしてくれる。
 イけずな男のたま〜の優しさって、ビリビリしびれるわ。これだからどれだけ邪険にされてても「一生ついていくわ。私尽くすわ」と思ってしまうのよね……って、なんの話や。そうそう、早い話が、やむを得ない先方の都合で急遽体が空いたのです。18時50分、まん我さんには無理だけど、走れば紅雀さんに間に合う!
 上司にお客さんがくれたビアードパパのシュークリーム(大好物)を、あげるから持ってお帰りと言われたのですが、走るのに邪魔になるから、すっぱり断って猛ダッシュ!階段だって駆け上がる!
 西宮と聞くと、とっても遠いような気がするけれど、こういうところでもご利益があったのか、連絡が最高によくて30分ほどで到着。
「なんだ近いじゃん!」
 会場の「ACTA西宮」は、阪急西宮北口駅の真ん前、まだ新しいビル。
「めっちゃきれいじゃん!」
 受付には誰もいない。「お代金はお帰りの際に」と書いてあるので、そのままこっそり入ると。「紅雀マクラ・交通事故篇」の病院で目覚めたところだった。そこから「新幹線篇」に入ったので、「いらち俥」かと思ったら「七度狐」だった。好きな演目で、紅雀さんでは初聴き。うれしいなぁ。
 今日は辛子色の着物に黒の羽織、帯は茶色の紅雀さん。あんさんウエスト細すぎや。私のお肉ちょっともらってほしいわ。アゴのとがったキツネ顔だから、七度狐ちゃんが異様にハマってます。今にも「コン」と一声くらって化かされてしまいそう。
 アホな喜ぃやんは、とっても天然ボケなのに、小悪魔チックにかわいく清やんを振り回してる。無邪気な登場人物が明るくって楽しい。紅雀さんて、理由はよくわからないけれど、疲れた時にとっても効能のある噺家さんです。私にとってはビューネくんやな。
 雀喜さんは 嫌い嫌いといいながら上手すぎるハエのマネとか、見どころの多い「饅頭こわい」でした。
。 蘇芳色の着物に、すごくきれいなクリーム色の帯をしゅっと締めて、かっこいい。マクラの通い弟子中のエピソードもとてもおもしろかったです。……困った時にゴキブリ出動!……どうぞ、あれはネタでありますように。
 おっさんのこわい話はなし。ひとくせもふたくせもある登場人物たちを、雀喜さんの分身みたいなリーダーがうまいこと仕切って、たんたんと進む。ふと、さえずり会の大喜利司会のお姿を思い出してしまいました。この前に見た「田楽喰い」といい、大勢でワイワイするネタが似合いますねぇ。よっ、雀喜さんの仕切り上手!
 こごろうさんは、独演会を思い出すお坊さん風のコーディネイトで登場。髪の毛が伸びていたので、お顔の印象がいつもと違う。
 仕事を世話するところから始まったので、どのネタかなーと思ったら、「動物園」でした!
 ちかちゃんと私は「動物園」とわかった瞬間、二人同時にぴんと背筋が伸びた。ちかちゃんから聴いたことには「こごろうさんの動物園っておもろいらしいよ。枝雀師匠もこごろうさんの動物園好きやってんて〜、聴きたいねぇ……」だから、思わず顔を見合わせて笑顔。二人一緒に初体験できたのがなおさらうれしいかったです。
 いつもながら随所にこごろうさんならではの工夫が折り込まれた爆笑落語。虎の毛皮を来て、だんだんその気になってくるアホのケダモノな顔がすごい迫力でした。もー、ドキドキした。こごろうさんって、ああいう怖い顔もできるのね‥‥。
 評判以上のおもしろさでした。あぁ……よかったなぁ……。

 とってもウキウキしたいい会だったのですが、お客さまは12人ほどでした。‥‥もったいないね。ああ、楽しかったぁ。第二回も期待してます!早くやってね。

 一晩明けてもまだぼんやりしてます。とにかく体が変な心地よさなのです。急に血行がよくなって、体がほわほわして、油断したら眠ってしまいそう。驚いたことに、昨日は三食しっかりたべて生中二杯飲んだのに、目が覚めたら体重が1キロ落ちていたこと。私ったら相当気力体力使ったのね。でも、今日はすっごい食欲でアホほど食べたから、きっと明日には元に戻ってるやろうな。
 厄払い、効き目があったみたい。ただ、あまりに幸せな気分になって帰ってきたから、夜中に楽しみにしていたテレビがあったのを忘れてしまいました。どなたか「安楽椅子探偵」ビデオ撮った方いませんか?
 あと、うちの有能な一番番頭がスケジュ−ル調整してくれて、日曜日は休みになりました。うれしい。やっとゆっくり休める。さ、紅梅亭録画予約して今日は早く寝てしまおう。

■厄払いましょ。めでたいもんで払おなら♪(2002.3.7)

 ちょっと、聞いとお。うっとこのお店、なんぞ悪いモンでも憑いとんのやないかいな。
 先月からみぃんな風邪ひいてしもて、それでも旦さんが休まんさかいに、わたいら下のモンも熱あってもよう休まんの。みんなして、「かぜうどん」……もぅ、あんさん、笑い事とちゃうよ。
 そんな時ですわ。三番番頭はんとこのボン、風邪がもとでのうなってしもたん。働きもんの三番番頭はんがしばらくおらんようになるさかい、ことがことやし、ここはおなごしのワタイがふんばらないかんと思たんやけど、なにしろ二人分のご用でっしゃろ。……さいな、熱は下がらんし、ご用は山のようにあってかたづかんし、もうえらいことで。
 あんまりわたいがシンドがるから、旦さんが手伝いの熊さんと又さん呼んでくれましたん。「あぁ、ちょっと楽になったわ。もう三番番頭はん戻ってくるし、そろそろ好きな寄席通いもできるようになるかいなぁ」、と安堵してたら、まぁ!今度は旦さんとこの御隠居はんが御隠れで!……ちょっと、隠れたら探せやなんて、またそんなアホなこと!
 二週続けて葬礼でっせ。どないなってるんやろ。しかもこの週末は大事なお得意さんのご用があって、わたいまた休まれへんの。おかげであっちこっちにデンボできるし、目ぇも肩もバリバリやし、おまけに掲示板にはケッタイなお客さん来るし(気味悪いから去んでもらいましたの)、ほんま、どないなってんのん。

 と、いうわけで。その他にも悪いことが身の回りでたて続けに起こって、あんまりにも気味が悪いので、玄関先に厄払い呼びました。季節はずれですけど、気休めになるかな。……季節はずれというと、この日記の看板もまだ冬やね。早く新しいの作ろう。
 不謹慎かもしれないけれど、それでも明日のACTA寄席には行きたい。あぁ……どうぞどうぞ、奇跡が起こりますように。

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