地盤珍華の会〜15周年記念スペシャル〜  高津宮 2005.2.5.sat
 
 いい意味でこんな男クサい会って久し振り。それにとってもアットホームで楽し♪ 楽しいんだけど、寒い。ファーの襟巻き・膝にかけたコートの下で手袋。でも拍手する時には寒くてもちゃぁんと外して、噺家さんへの感謝の気持ちを割れんばかりに響かせるのだ。

cleckで拡大   珍念さん「看板の一」
  文華さん「寄合酒」
    楽珍さん「宿屋仇」

   中入
  文華さん「植木屋娘」
  珍念さん「平の陰」
 男クサイ♪ のは、前半戦に若いモンが集まってワイワイやる話が揃っていたから?で、寒かったのは、ガスファンヒーターがいつの間にやら切れていたから。ん? 誰かガスホース踏んだぁ? お客さんが入れ替わり立ち代わり頑張ったり、楽屋から噺家さんたちも出て来てくださったけれど、ヒーター再起動せず。暖かい応接室に会場を移しましょうか……などと気遣ってくださいましたが、セッティングも大変だ。お客一同後半戦の覚悟を決めたころ、会場関係の方?が現れてどこかのリセットボタンを押して、みごと復活! よっしゃぁ、暖まって後半戦だぁ。

 今日、一番いろいろ考えたり感じたりしたのが、文華さんネタおろし「植木屋娘」。封建社会って、かつてあったことは知っているけれど、実感はないでしょ。……伝吉つぁんがいい人なだけに、最後のサラリと冷たい発言が、当時の人を分ける壁の分厚さを感じる。身近な落語の世界でこんな風に冷酷に立ちはだかられると、ガツンと来るなぁ。結局、植木屋父の怒濤の婿取り工作は、ドン・キホーテと同じで、その向こう見ずな突進が家族を結果的に不幸にするのかと思うと、おかしくてやがて悲しき……。でも、笑いの向うにチラリと闇を覗くのって、たまらないものがあるんですよね。「チラリ」が、かえって心に深々と刺さるんです。あぁ、えぇなぁ……。

 今日は高津の宮亭が改築中なので、坂をたらたらと下った社務所での開催でした。改築にはしばらくかかりそうなので、高津さんの落語会は、しばらく暖かい服装を心掛けた方がよいかもしれませんね。