福笑さんの軒付け

第55回公民館寄席「福笑の会」(2001.9.29.sat)

 「キタの旅」と「あこがれの甲子園」を録音で聴いただけでしたが、笑福亭福笑さんは、私にとって憧れの噺家さんでした。「色気のある声やなぁ。生で聴いてみたい!で、あほんだらーって怒鳴られてみたい」そんな思いが叶った記念すべき初体験がこの会だったのです(しかし、あほんだら、はまだ聴けてません)。
 今思えばアホな話なんですが、笑福亭一門(特に六代目の直弟子さんたち)は私の中では「上方落語界の武闘派」というイメージで、女一人で聞きに行くのが怖かったんです。(お客さんも酔っぱらった怖いおっちゃんが多いかも??なーんて思ってました)で、笑福亭一門がお気に入りの在宅落語ファンである父と、秋晴れの空の下、うきうきと宝塚まで出かけていったのでございます。
 お客さんはいつも行ってる落語会と同じで品のよい人ばかり。むしろうちの父の方がガラが悪くて目立ってたかもしれない、ちょっとショック。 家の中では気付かない家族の真実ってあります。やっぱりたまには一緒に外へ出かけないといけません。

 演目は笑福亭たまさん「阿弥陀池」・笑福亭福笑さん「米揚げ笊」・林家染語楼さん「鹿政談」・中入・テントさん(この人の芸に対する父の反応を、ひそかに楽しみにしていた私)そして福笑さん「軒付け」
 もう、福笑さん最っ高でした!
 高座に上がってジロジロっと客席をねめつける感じ、見台に肘をつくお姿、笑ったお顔、もうなにもかもかっこいい!生声すっごく素敵!脳みそをわしづかみにされて、ぐりぐり引きずり回されたようで、すっかりトリコになってしまいました。父も名人芸を見られてすっかりご満悦。この落語会に連れていったことは、とても親孝行になったようです。電車代も木戸銭も晩御飯までおごってもらって、私は二重に大満足(ただしその後、ハシゴしたこごろうさんの会は私がおごった)。すごい芸を見せてもらった、とても楽しい一日でした。